篆書体(てんしょたい)による底款「篆刻(てんこく)」がある中国宜興の紫砂茶壷(急須)です。「篆刻」の判読結果、陶芸家「徐漢棠(シュハンタン)」氏であることが分かりました。また、蓋の裏にも「徐」の刻印が見られます。(写真9、10枚目)「徐漢棠(1932年~)」氏は、国家工藝美術大師の称号を持つ紫砂界の著名な陶芸家で、茶壷界の名人「顧景舟(コキンシュウ)」氏の弟子。「顧景舟(1915~1996年)」氏は、現在に至っても茶壷の世界では筆頭の人気作家で、中国での文化大革命の厳しい時代にあっても名人気質を保ち続け、その側で弟子としてその姿を見続けたのが「徐漢棠」氏であったと解説が。茶壷は瓢箪の形のようですが、胴部分にも葉とツル、ツル先にに瓢箪(ひょうたん)の実をつけたアクセントのある装飾が施されています。ご存じのように瓢箪は縁起物とされています。余談ですが『瓢箪は孫ヅルにしか実をつけず、育てるには摘芯(てきしん)をして、親ヅルから子ヅル、子ヅルから孫ヅルへと、枝を伸ばすことが必要、摘芯とは草花などの植物の生長を促すための手入れ作業の一つ』と書かれた面白い(?)記事がありました。製作時期は不明ですが、目立つ汚れはほとんどなく、欠けやひびなどの傷みもほとんど見られません。水漏れのないことも確認済です。大きさは概寸で、高さ(蓋あり)10cm、(蓋なし)7.5cm、横幅(持ち手~注ぎ口)13cm、口径3.3cm、底径5.7cmです。重さは約175g、容量は約150ccです。コレクションに加えていただくだけでなく、縁起物とされる瓢箪型の茶壷で煎茶などを味わっていただければ幸です。
商品の情報
カテゴリー | その他 > アンティーク/コレクション > 工芸品 |
商品の状態 | 目立った傷や汚れなし |