●製作年:1765-70年●1級●サイズW:24cmH:4cmマイセン、デートリッヒ在籍中のアカデミズム期(所謂ドット期)の作品です。7年戦争終了後にはフランスから様式が流れ込み、アシエの招聘も相まって、マイセンはロココ様式に傾倒していきます。セーブル主体で隆盛を極め始めたロココですが、流行の発信となってヨーロッパで一大旋風が起こります。それまではヨーロッパ初の磁器窯として、独り勝ち状態のマイセンでしたが次第にシノワズリも飽きられ、ドイツの花の様式もハッキリしないまま7年戦争、財政難も加わることで経営は非常に難しくなって行きます。この時代辺りからヨーロッパで本格的に頭角を示し始めたセーブルに追いつく為、マイセンはなりふり構わず他窯の様式を次々コピーし始めるようになります。1772年には東インド会社を通してウィレム5世へ献上したスタッドタールセルヴィスがマイセンにて製作されますが、風景の縁取りには今回の出品作品と同じくベースのボーダーはこのパターンが使用されています。前後でも注文された経緯を踏まえると、このセルヴィスが製作された前後で用いられていたパターンでしょう。描画ですが、一般のフラワーではありません。花や野菜など珍しい描画が手間のかかる旧画法で描かれています。この類の物は製作される頻度は少ないため、市場でも稀少とされています。裏側の一部を写した写真をご覧ください。小さな葉がちょこんと描かれています。これは創業初期によくみられるものですが、焼成による目立つ黒点や釉薬などのムラがある箇所など…小さなミスを隠すために用いられた手法です。でも全部へ施すわけではないです。隠す基準がイマイチ謎ですが、見つけたときは嬉しい気持ちになります。色彩や金彩の薄れもないため、使用は最低限に控えていたか、コレクションとして保管されていたのでしょう。当時の白磁製法の未発達による黒点や茶点は見られますが、ワレやカケの無い素晴らしいコンディションです。
商品の情報
カテゴリー | インテリア・住まい・小物 > キッチン/食器 > 食器 |
ブランド | マイセン |
商品の状態 | 目立った傷や汚れなし |